第4章 気付いてほしくて
キュッキュッと体育館に響く音。
先輩たちが集まる時間まで、流川との1on1。
あれから何気に続いている。
気づけば、もう5月か…。
「流川のヤツ、楽しそうねー。」
「彩子さん…。」
「生き生きしてるもの、あの子の顔。」
部活が始まり、私は彩子さんと一緒に花道の基礎練に入る。
流川との一波乱も起こし、もちろんキャプテンに怒られて部活を終えた。
「ねぇ、ちゃん。マネージャーやらない?」
「マネージャー…?めんどくさい…。」
「こらこら。」
高校で、部活はごめんだ。
のんびり放課後ライフを楽しむと決めたから
女子バスケのない湘北に来たんだ。
なのに、マネージャー…?
絶対にごめんだ。
「マネージャー、やれ。」
「あぁ?」
そこには、頭からタオルをかぶった流川がいた。
「やれ。」
「いやだ。高校では、のんびり放課後ライフを送るんだ。」
「、今、のんびりしてないじゃないか。」
「今だから。も少しすればバカ花の基礎練が終わる。」
見学に来ていた洋平にすかさず突っ込まれる。
こいつ、人の気持ちを見抜いてやがる。
のんびりした放課後を送りたいのも事実だが
………流川の近くにいたいと思うのもまた事実。