第41章 与えるものが愛ならば
「ほら。」
「洋平…。」
「この後、部活だろ?少しでも冷やしておけよ。」
「ありがと…。」
今日は叩かれてないな…。
泣いて赤くなった目。
頬が腫れてないところをみると、今日は言葉攻めか…。
「なぁ。」
「んー?」
「流川に言えば?」
「は?」
「だから、『ファンをどうにかしろ。おまえがほっとくから、あたしにしわ寄せが来るんだよ。』って。」
「……。」
まぁ、こいつの性格上言えないよな。
「……言えないよ…。」
「だろうな。」
ため込むタイプの上、強がりだからな…。
自分で抱え込めなくなって、ようやく泣くんだもんなぁ…。こいつは。
「ま、泣きたくなったら泣けばいいさ。オレがいるだろ?」
「……私ってすげー愛されてる?」
「今頃気づいたか?」
「へへっ。知ってたよー。」
与えるものが愛ならば
貰うものは、笑顔だな。