第40章 もっと上手に笑えたらよかった

「あんた、もう少し自分の立場をわきまえたらどうなの？」


この手の嫌がらせには、もう飽きた。
流川がらみだってことは、わかってる。
たまに、ミッチーとかリョーちんのファンもいるけど。
９割は流川のファンだ。


「１年のくせに生意気なのよ。」


あいつは無愛想なくせに、顔が良いからモテる。
上は教師、下は中学生と選り取り見取りだ。


「あんた、自分が流川くんに釣り合うとでも思ってんの？」


別に怖くなんかない。
そこらへんの女の子より、ケンカの場数は踏んでるから。


「こんなデカイ女が隣にいられちゃ、流川くんも迷惑よね。」


だから、傷つかないはず。


「ふん。」
「なっ、何がおかしいのよ！」
「流川の視界に入らないからってひがむのやめてくれる？」


私は、思い切りイヤな笑顔を振りまいてやった。
本当の自分を隠すために。


「なんですって？！」


本当は知ってるよ。
釣り合わないことなんか。
もっと、もっとかわいい子だっているよね？
こんな強気な女じゃなくて、守ってあげたくなるような子がお似合いなんだよね？


そんなの分かってるよ。
わざわざ現実を突きつけなくたっていいじゃない。
傷つくのは怖くないよ。
でも、そんなに強くない。






































もっと上手に笑えたらよかった
弱い自分を隠せてるかな…？