第26章 胸が焦げてしまいそう
その真っ直ぐなまなざしで見つめられると、どうしていいか分からなくなる。
バスケに対する貪欲な心を見せられると、どうしようもなくなる。
「おい。」
「…ん?」
ボーっとしていたら、流川が声を掛けてきた。
「なにしてやがる。」
汗だくの彼は、どうやら部活後の自主練習が終わったようだ。
「何もしてないよ…。」
「なんでボーっとしてやがった?」
「えーっと…。」
見惚れてましたなんて言えない…。
「………見惚れてやがったのか?」
「んなわけねーだろっ!!」
こいつ、たまに鋭い…。
「着替えてくるから、おめーも着替えろ。」
ふとあいつの顔を見たら、ほんのわずかだけど
口元がやさしく微笑んでいた。
胸が焦げてしまいそう
微笑まれると、何も考えられなくなる。