第23章 熱病に浮かされたように
ボーっとしながら階段を下りていた。
降り切ったところで、聞きなれた声に呼び止められた。
「流川ー。」
スカートが短いから、パンツが見えそうだ。
そんなことを考えてたら
あのあほう、やりやがった。
オレは一気に目が覚めた。
「うわっ!!」
「っ!!」
落ちるっ!!
間一髪のところで受け止めた。
あいつは、ぎゅっと強く目をつぶっていた。
あぁ。
落ちなくて良かった。
腕をまわした背中が、びっくりするくらい小さかった。
「おい。気ぃつけろ。」
それしか出てこなかった。
腕に全部の神経が行った感覚。
熱病に浮かされたように
そうだ。こいつはオンナなんだ。