第17章 駆け引きもできない
「いいか~?意中の女を落とす方法はだなぁ~。」
「ふんふん。」
部活が終わった部室は、三井…先輩の恋愛講座で盛り上がっていた。
受講者はもちろん宮城…先輩とどあほう。
「押すだけじゃ、女は逃げていく。たまには引く事も大事だ。」
これを恋の駆け引きと呼ぶのだ。
「まぁ、流川にはできないだろーがな。」
「なっはっはっ。なんせキツネだからな。」
「な。」
そう高らかに笑っていた。
……どあほうが3人。
「お。流川ー。今日は遅かったな。」
「おぉ。」
「三井先輩にでもつかまったか?」
当たらずとも遠からず…。
いつもの1on1を始める。
フェイントをかけたり、相手の出方を探ったり。
これもある意味駆け引きだ。
簡単にできるじゃねぇか。
がオフェンス中、オレの目をじっと見てくる。
だいぶ慣れたが…、いやまだ慣れない。
すっと一瞬、オレの集中力が切れた。
はそれを見逃さず、シュートを決めた。
「む…。」
「甘いな、流川。」
駆け引きもできない
オレ、バスケの駆け引きもできねーのか…。