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オレンジ色の恋模様<流川楓>

第11章 勘違いと糠喜び




恋愛音痴な幼馴染の恋愛模様を、観察して何日たっただろうか。
これと言った進展がなかったのはつい最近まで。


花道の練習を見に行ってる時に気づいたんだが…。


もしかすると、もしかして…?


そう思い始めた時だった。





「よう。忙しそうだな。」
「昼飯食ってる暇もねぇよ。」


バスケ部のスケジュールを持って、廊下をバタバタ走る幼馴染。
昼休みもあと残り3分。


「お、流川ー!!」


向こうから、焼きそばパンをくわえながら歩いてくるのは流川楓。


「いーもん食ってんなー!くれ!!」


流川の食いかけを、何の躊躇もなく口に入れる。
間違ってもおまえは、恋する女なんだろ?
間接キスとかの恥じらいはないのか…?


「サンキュー!流川。もー、おまえ、愛してるぜっ!!」
「…っ!」


おいおいおいおい…。


流川を好きな自覚はあるはずなのに、好きとか愛してるとか簡単に口にする。
変なところで鈍いつーか、なんつーか。
あ、愛情表現が子ども並みに単純なのか…?


「なぁ、これ全部もらっていいのか?」
「……。」
「沈黙は肯定とみなす!ラッキー!」


やっぱりな…。
流川ものことが好きなんだろうな。


耳を赤くしてうつむいてる。
“愛してる”が効いてるんだろうな。
こんなに感情があらわになるなんて…。


でもの場合、自分の気持ちを言ったわけじゃなくて…。


「なぁ、流川…。」
「………。」
「たぶん今の“愛してる”は最上級のありがとうだと思うぞ…。」
「……おぅ…。」


あぁ、かわいそうだが
今ここで、現実に戻してやらないともっとかわいそうだからな…。


しかし、流川がの事をねぇ…。
晴子ちゃんには悪いが…、オレはやっぱり幼馴染を応援するよ。


























勘違いと糠喜び
あんまり、流川を期待させるなよ。かわいそうだから。




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