第10章 好きと言ったらどうなる?
「はぁ…。」
「どうした?そんな重たい溜息して。」
「なんでもねー…。」
「それがなんでもねーって顔かよ。」
隣ではたばこを吸いながら、洋平がなんでも見透かした目で笑ってる。
“どーせ流川がらみなんだろ?”
「どーしたよ。」
「………。」
今の関係に文句がある訳じゃない。
だって、きっと、どの女生徒よりも流川の近くにいると思う。
授業中に寝てるあいつを起こしたり
1on1の相手をしたり
ドリンクやタオルを渡すのは私の役目だ。
前に洋平に言われた言葉も覚えてる。
“恋は焦らず”
でもそろそろ、自分の気持ちが爆発しそうだ。
「言うのか?」
「………言えねーよ。」
爆発しそうだけど、言ったら
言ってしまったら…。
好きと言ったらどうなる?
今のこの関係も崩れる気がする。