第9章 からまる視線をそらして
自分の気持ちを自覚してから
なんとなく、顔を見れなくなった。
はどんな時でも、まっすぐにオレの事を見てくる。
その視線が、今はまともに受けられない。
「昨日は抜かれたけど、今日は抜かせないぜ。」
1on1のディフェンス。
この時が一番困る。
オレはオフェンスだから、嫌でもを見なくちゃいけない。
下手に視線を外すと…。
「もらいっ!」
逆にボールを取られる。
どうすればいいのか……。
「なぁ、流川ー?最近、元気ないぞ。」
「っ!!!」
ぼーっと考えていたら、顔をのぞきこまれた。
不意打ちなんて卑怯だ、どあほう。
一気に顔が赤くなるのを感じる。
こんな顔、見せられるか。
「なんでもねー。」
からまる視線をそらして
顔が見たいのに、見れねーなんて生殺し…。