第98章 寄り道をしながら帰ろう
時間がたつのはとても速くて、気づけば明日から2年生。
楓は、明日の早朝の便でアメリカに行く事になった。
「明日、早いんでしょ?」
「おう。」
「寝坊しないでよ?」
「しねー。」
見送りにはいかない。
だって、絶対泣いちゃうだろうから。
私が泣いたら、楓は困るでしょう?
いつも自転車で帰る道を、ゆっくりと歩いて帰った。
「おい。」
「ん?」
「………。」
「どうしたの?」
「…寄ってくか?」
そこは、2人でバスケをよくしていた公園だった。
ダム ダム ダム
結局、私たちはバスケが好きなんだ。
あぁ、明日からこの視線を感じることはないんだ。
彼の呼吸を感じることもできない。
寂しい…。
でも、私は笑うよ。
寄り道をしながら帰ろう
あなたの夢のために。