第18章 なんとかリウム【万里】 甘夢
「いってぇじゃねぇか」
「無理矢理そんなことするほうが悪いじゃないの!」
そのまま男のストレートなパンチがいづみの顔へと入る。いづみは少し避けるも、起き上がれない程弱った。
「……嫌だよ……ばん、り……たすけ」
後ろの背景はバスケットボールが見えた。跳び箱もあったし、きっと体育倉庫に違いない。俺は先生にドンとぶつかり体育倉庫に走った。
ドアを開け際に、授業中!って聞こえたけど、そんなこと関係ねぇ。授業より何より、人の心と体の方が大切に決まってんだろ。それに、そんないじめがあるっていうのを黙認してるのもどうかと思う。そんなことを思いながら、体育倉庫まで走った。
重いドアが……開かない。
「くそっ」
しかし中からは男の汚い言葉が聞こえてくる。ここで間違いないのは確かだった。そういえばウチの体育倉庫はちょっと特殊で、上に人ひとりが入れそうな窓があったんだった。俺は外に周り、窓ガラス目掛けて落ちていたバッドで割った。
バリーンっと大きな音がした。俺は割れた窓に手を入れ鍵を開けた。そこまで登り、器用に窓に入り中に潜入を完了した。
「何だ、おまえは」
「おーおー、そんな悪党みてぇな台詞言うんじゃねぇよ。とりあえずその汚い手を離してもらおうか」
「……ばん、り」
「はぁあ!!」
男の1人が襲いかかってくる。華麗に避けてそのまま殴る。と言っても最小限だったけど。それでもそいつはマットの上でのびていた。
いづみの服は少しビリビリであと少ししたら見えてしまいそうだった。男の1人がいづみの服に手をかける。いづみは抵抗をするも意識も朦朧としていて大した力も入ってなかった。
「や、やめて……」
「これ以上来るとこの女の身体がカメラにうつっちまうぞ」
そのまま俺はバッドをカメラに向かって投げた。ガシャンと大きな音がしてバッドはカメラにクリーンヒットした。
「これで満足か?」
俺は指を鳴らしながら、男に近づき次々と殴る。
「ぐぁー」
「や、ゃめろ、、」
「あぁ?何言ってんだよ」
「この女がどうなってもいいのかよ」
「まだ言うかよ」
ドカっと男の横腹に向かって蹴りを入れる。
男たちは簡単に伸びた。フラフラと立つのもやっとのいづみを抱えた。