第2章 今なら素直に好きといえる【左京】 甘裏
「むぅ。。お話が弾んじゃったのぉ。さきょーしゃん、許して?」
ぎゅっと臣の服の裾を掴み、左京の方をみて首を傾げる。
その行為にさらに眉毛を動かす。臣は反射的に手を挙げ、いづみの身体には触れてないと動作で表す。
臣の服の裾を放し、ふらふらと左京の方へと向かう足は今にも崩れてしまいそうだった。左京の服の裾を掴んで訴えようとする伸ばした手は、足のリズムに間に合うず、左京の目の前でバランスを崩す。ガシッと左京が手を貸し、転倒せずに済む。
「あ、ありがとう……ございま……」
1人ではもう立ってられず、支えられた手に再び寄りかかる。
目は少し涙ぐみ、いづみの柔らかい身体が左京の腕に絡まる。
「うっ……」
「ごめんなしゃ……左京しゃん。足が……ふわふわしゅる……」
ちっと舌打ちし、いづみの足を掬い、お姫様抱っこをする。
「あわ……落ちちゃう」
いづみは慌てて左京の首に手を回す。
手を回すことで余計に左京との顔が近づく。
もう唇と頬がくっつきそうな程に。
「……左京さん。これも」
臣がいづみの鞄を持って、左京の指先に引っ掛ける。
悪いなと一言左京が臣に告げるとスタスタと左京はいづみを抱えたまま歩きだす。
「じゃあ、俺は寝ますね」
ニコッと笑って2人を見送る。
「左京さんもいづみには甘いな」
ガチャ
いづみの部屋のドアノブを回し、器用にドアを開け、鞄をテーブルの上に置く。
ベッドにゆっくりといづみを下ろす。
「……。いづみ、手を離せ」
身体は既にベッドの上に預けられているも、いづみは左京の首から手を離さない。その為、ベッドの上でいづみを押し倒している状態になっている。
んー?とふわっと笑っているいづみをみて、ムラっとした感情が込み上げてくる。
「左京さん」
そう言っていづみが再び笑ってくる。
「……いづみ。もう一度言うぞ、手を離せ。じゃないと……」
「ちゅう、しましょ?」
プツンと何かが切れる音がしたと共にいづみの唇が塞がれた。
角度を変えて何度も深いキスをする。
閉じているいづみの口を舌でこじ開け、逃げる舌を綺麗に絡みとっていく。