第17章 目覚めのキス【万里】 甘夢
「へぇー……で、おはようのキスはしてくれたのに俺は起こしてくれないのか?」
「へっ!?おはようのキス!?」
「してくれただろ、ほらおでこに」
「起きてたの?」
「起きてたに決まってんだろ、いづみより先に起きなかった事なんかねぇよ」
「……い、いつから??」
「いづみが前髪を掻き分けて、かっこいいと呟いたところだったな」
「つまり、ほとんど最初から……」
「その前に寝言で俺の名前読んでた辺りだったかな……」
「そ、そんな呼んでないよ!!/////」
「そうか?」
ニヤニヤと万里は笑う。
「朝練遅刻しちゃ、んぐっ」
強引に顎を上に向かせられてキスをされる。
「へっ……オッサンに怒られんのは癪だな……いづみ、朝練終わったら覚えとけよ」
「学校だよ!」
「ちっ……じゃあ今日の夜だな」
「今日の夜は夏組の稽古見学」
「……仕方ねぇな」
ボリボリと頭をかくと万里から再度キスをされる。
「じゃあ今からもう1戦するか」
「し、しません!////」
「俺もうこんなんなんだけど」
「閉まって!!」
「しまえねぇよ」
「じゃあおさめて///」
「おさめてくれんの?」
「ち、違うってば////いっぱいやったでしょ」
「まだ足んねぇ」
そのまま万里はいづみの服を脱がそうとする。いづみは必死で捲られまいと抵抗をする。万里はもう片手でいづみの手首を捕まえるとそのままいづみの頭の上に置いて固定する。
「んっー""""」
万里は寝ている時に既に上半身は裸であった。万里は器用にズボンを下げる。再びいづみに深いキスをする。ドンドンドンドンドン!!!!!!と激しくドアが鳴らされる。
「摂津、てめー何時だと思ってる!」
「万ちゃんー早く起きるっす!遅刻っすよ!」
「早く来ないと左京さんがカンカンだぞ」
万里はスマホを見ると既に朝練から30分は経過していた。いづみの部屋の時計をよく見ると止まっていた。