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夢の世界へ

第17章 目覚めのキス【万里】 甘夢



わ、わ、わ……
かっこいい。

すぴーと寝息をたてながら恋人は眠っていた。
といってもMANKAI寮で一緒に住んでいる秋組リーダーこと万里なんだけど。
今はもうすでにみんなに公認されて、左京にぃと監督印がついたお墨付きの交際。
それでも左京にぃから万里に出された課題が、私の部屋で寝泊まるのは月1-2回、(莇の為に)キスは人目がないところでやること、喧嘩などの私情は持ち込まないことの3つ。万里もお年頃な訳で最初はすごく渋ってはいたが、確かに寮でやるのは恥ずかしい。もちろんやらないこともあるんだけど、やらないでいるにしてもどっちみち騒がしくなるから隣の監督の部屋まで響いてしまうと思う。
それで、今日がその寝泊まりした翌日な朝な訳。昨日はそれでも激しかったし、何度思い出しても恥ずかしくなる。身体を重ねたのは初めてでもないんだけど……
そう言いつついづみは自分の頬に手を当てる。

それにしても、本当に万里の顔は整っている。寝顔は何回みても何分みていても、ずっと見ていられる。本当にかっこいい。
サラっと垂れてる前髪を横に流すと、小さく、んっと万里は声を漏らす。
その声にすらドキッとする。

「へへっ、いつみてもかっこいいなぁ……」

……良いよね?万里より早く起きた特権だよね?良いよね?
前髪を横に流すとおでこがみえる。
そっと顔を近づけると、ギシッとベッドのスプリングが軋む。いづみも髪を耳にかけて、万里のおでこにキスをする。
それでも万里は目を開けない。
1人で静かにワーワーキャーキャーと騒いで、ブンブンと顔を横に振り、ベッドに腰をかける。

ぁ。でも万里をそろそろ起こさないと……朝練あるって言ってたなぁ……

ゆっくりとベッドから立ち上がろうとすると服をぐんっと引っ張られる。

「きゃっ」

そしていづみはベッドへと戻される。
更には上から万里の顔が覗く。

「ば、ばんり……?お、おはよう」

「なーに、先にベッドから出ようとしてんだよ」

「いや……そろそろ朝だろうなぁって」

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