第12章 眠れない、午前何時【綴】 甘夢
私は満面の笑みで綴を見た。
綴はもう片方の手で自分の顔を覆う。
「?綴、大丈夫?ぁ!レポート明けだったもんね、ごめんね、私ばっかりはしゃいで」
「ぁ、いや……違くて……その……いや///なんていうか////」
「ん?何か顔少し赤いよ?もしかして熱中症?それとも熱?」
「へっ!?いや////違いますよ、これは……監督が……」
「へくちっ」
ふとくしゃみが綴の言葉を遮る。
どうやら先程までの汗が今になって身体を冷やし始めて来たようだ。
「ぁ、ごめん。汗が冷えたみたい……私が、なに?」
綴は自分が着ていた薄手のパーカーを私に掛けてくれた。
「着てください。大切な監督を風邪ひかせる訳には行きませんから」
綴はまだほんのりと頬が赤いものの、私の腕を持ってテキパキとパーカーを着させてくれる。
「戻りましょ」
「う、うん」
綴の言葉の続きが気になるけど、風邪引く訳にもいかないから戻ろう。そう言って私達は歩き出した。
帰り道は違うお話しながら。
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帰り道で少し眠くなってしまい、ぽやぽやとしていた。
ガチャと玄関を開けると、走り出しそうな真澄を臣が捕まえてる光景があった。
「監督!」
「な、真澄。ちゃんと居たろ?」
「綴、監督と2人で何をしてた」
「真澄、今日はえらい早起き何だな」
「な。どうやら、監督の目覚ましが中々止まないで心配して起きてみたいだ」
どういうこと……。寝坊してたら目覚ましなんて止めないよ、真澄くん。
何か帰ってきたら安心感で眠くなってきた。
「監督の部屋見たら居なかった。答えろ、綴。監督と2人でこんな朝早くから何してた」