第11章 最初のキス【至】 甘夢
俺の横にストンと座る。
そして唐突にイベ終了後のアップデートを始める。
俺、平常心で居られんのかよ。プレゼントを渡すってだけでミッション増えてんのに。
「茅ヶ崎さん」
おーいといづみは俺を呼ぶ。
いづみの声で我に返る。
「大丈夫ですか?やっぱり引いてます!?」
「引いてないってば。いづみ、2人のときは?」
「……いた、るさん////」
やや下を俯きながら答える。
今日はこっちも照れてしまう。
「いづみ目瞑って」
「目?」
「うん」
言われた通り、いづみは目を瞑ってる。
しかも、ちゃんと顔を俺に向けたまま。
「ちゃんと俺が良いって言うまで瞑ってるんだよ」
「居なくなっちゃったりしない?」
「ははっ、しないよ」
俺はカバンの中を手を突っ込み、プレゼントを開ける。そして首に触れないように後ろで止める。
「んっ……くすぐったい、目開けてもいい?」
俺の髪の毛が首筋に当たったみたい。
一瞬バレたのかと思ってヒヤッとした。
「だーめ」
案外止めんの難しいな。よし……ハマった。
俺はそのままいづみが目を瞑ってるのをみて、顔を近づけた。
ネックレスから手を離して、頭に手を回して、キスをする。
「ん!?」
びっくりしたのかいづみは目を開ける。
俺はそっと唇を離し、サラッと髪の毛に触れる。
「俺が良いって言うまで目瞑っててって言ったのに」
「いやいや……え!?えっ/////だって今」
俺はすまし顔で笑う。
ぁ、いづみとキスするの初めてだったか。
「ごちそうさまでした」
「……っっっ〜〜〜/////至さん////」
「さ、ゲームゲーム〜♪」
「至さん/////!!」