第11章 最初のキス【至】 甘夢
俺はアップデートが終わるのをみて、ゲームを再起動する。
ぁ。これ、プレゼントには気付いてない奴だわ。
俺は自分の首を指にトントンと指す。いづみは首を触る。
「え?これ……え?」
ネックレスを見つけたようだ。
ちょっと苦労したのに、あっさりといづみに外される。いいけど……。
「可愛い!!ハートだ!!ぇ?良いんですか!?恐れ多いです!」
「一言余計」
「大事にします!!」
「今日何の日か覚えてる?」
「今日、ですか……?」
「2ヶ月記念日」
「はっ!忙しくて忘れてました!」
「やっぱり……」
「……ごめんなさい」
そう言っていづみはネックレスをもう一度嵌める。女性って器用だな……。
「ってことで、俺もプレゼント貰っていい?」
「何も用意してないです……またあし……」
「大丈夫、いづみさえ居れば。ってことでいただきまーす」
俺はいづみをそのまま床へと押し倒す。
もちろん頭ぶつけないように、頭を支えながら。
「え?え??」
「我慢したんだ、いいよね」
そして甘い夜は続いた。
俺といづみの関係は1歩進んだ。
2020.7.31 執筆完了