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夢の世界へ

第18章 なんとかリウム【万里】 甘夢



監督、臣、オッサンは目を合わせて何やら微笑ましく笑っている。俺はそれを横目にいづみの頭に手を当てて、軽い力でポンポンと頭を叩いた。

「ありがとう、万里」

「さ、そろそろ2人とも面会の時間終了です」

「はっ?病人同士の面会も時間制限があるのかよ」

「とりあえず、ぶっ倒れた後だしな。何かあったら困るだろ、摂津」

「ちっ……いづみまた会いに来るな」

「ありがとう、万里……監督さん、左京さん、臣さん、本当にありがとう……」

俺はいづみに手を振り、臣に連れて自室に戻る。監督ちゃんがいづみの傍にいて背中を撫でていた。どうやら泣いてるらしい。俺もベッドへと戻った。

「とりあえず、俺たちもそろそろ帰るな」

「また明日面会にくる」

「オッサンは遠慮しときます」

「摂津、てめー」

俺は布団を被った。そしてそのまままた眠りについたらしい。翌朝目が覚めると病院食が出てきた。新鮮だけど、味気がねぇって言うか、早く臣の飯が食いたい。いづみも点滴が抜けたやら何やらで、俺の病室に歩いて遊びに来ることが多くなった。俺はと言うと、座ったり立ったりする時にフラフラすることは減ったものの、バランスが上手くまだ取れないから車椅子に乗っていた。俺のところにはかわりばんこに、春組全員が来ては至さんが"万里が入院とかマヂSSRウケる"とか言って連写してくるし、夏組全員が来ては三角がさんかくを探しに出てっちまうし、天馬と幸は喧嘩してた。秋組全員も来てダイコン野郎にこんな姿見せるとか最悪だった。冬組全員も来ては差し入れだとフルーツを少しと紬がお花を持ってきてくれて花瓶に入れてくれた。どうやらいづみの所にも同じように面会に行ったらしい。やっぱり冬組は大人だ。密さんは途中から俺のベッドで寝ようとしてたけど。そんな感じで日が進んで行った。
俺よりも1日先に退院したいづみはオッサンに連れられ、家に行って荷物をまとめたらしく、俺の退院と同時にいづみの家に行きいづみは寮へと行くことになっていた。

「とうとう、私……この家出られるんだね」

「寮もそれなりにうっさいし狭いけどな」

「それがいいんじゃない。この静かで広い家に1人で居るより」

「さ、行くぞおまえら」


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