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夢の世界へ

第18章 なんとかリウム【万里】 甘夢



「なーに言ってんだか、そんな湿気た面みせてたらまた襲うぞ」

「はぁ!?馬鹿じゃないの」

「そうやって笑ってる方が似合ってるって」

「……楽しいこと、また教えてね」

「あたりめーだろ」

2人で笑い合っていると監督ちゃん達が飲み物を買ってきてくれた。俺らはそれを飲みまた笑った。
その後はいづみのこれからのことについて話し合った。後に聞いた話だが、俺の親は学校に謝罪し、劇団にも謝罪しに来たららしい。しかし、いづみの親は入院費などは払われていたが、1度も面会に来ることはなく、学校等にも顔を出していないらしい。最初に放ったらかしって言っていたのは、きっと本当のことなんどろう。


「はぁ?いづみも寮に済ませるって本気かよ監督ちゃん」

「うん!これから大事な時期に入るし、こんなことがあったからには2回目も同じようなことがあってもおかしくないでしょ!それに、いづみさんの話によるとご両親がほとんど家にいないんだもの!何か会った時次は誰が守ってあげられるの?」

「私なら大丈夫、次は戦える」

「どの口がそれを言うんだよ、まったく」

「でも、寮は男ばっかりだろ?そんな中流石にいづみだってやだろーよ」

「監督さんが居るから大丈夫」

いづみは監督ちゃんを抱きしめる。俺が寝ている間に何があったのか気になる。何なら、臣やオッサンとまでも気軽に話してる姿を見ると何だかイライラしてきた。俺の知らない間に、俺の知らない話がどんどんと進んで行った。ってか、ヤローだらけにいづみを入れたら、わー……考えたくねぇ。

「ってか監督ちゃんよ、部屋はどうすんだよ。それにいづみの両親だって良いって言うか分かんねーだろ」

「万里、それならもう解決済み」

スチャっと自分のスマホを見せつけてくる。
どうやら、俺と話し合う前に、この話については内容も結果も決まっていたらしい。

「まぁまぁ、万里、そんな拗ねんなって。いづみさんが住めば朝飯だって一緒に食えるし、一緒に高校行けるし、下校だって一緒に帰れんだろ」

「……確かに」

「え、そこで納得する万里可笑しくない?」

「はっ……な、何だっていいだろ!」

「(これは……)」

「(これはやっぱり)」

「(万里くんはいづみさんのことが好きなのね……!!)」

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