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マイハート・ハード・ピンチ

第11章 素敵はばたき恋の歌


「次!プリクラとりましょ!!嵐さんもホラ、つべこべ言わないで今日は撮りましょうよー!」
プリクラ機の前で意気揚々と嵐の腕を取り、カラフルな装飾の施された機内に入っていく。
「翠さん!変顔しましょ!変顔。嵐さんも、今日は仏頂面、禁止ね!」
新名はまるで水を得た魚だ。嵐もこんなに楽しそうにしている新名を見るのは久しぶりだったので、普段は苦手なプリクラも、きちんと笑顔で臨んでいる。
「ぶはっ!まじこの嵐さんの顔やばすぎ〜!っあ!翠さん、その俺の顔盛れてないからスタンプで口元隠しといて〜」
新名は手慣れた手つきで次々とプリクラに加工や落書きを施している。嵐はそのお手並みに目をまあるくして、「やべーな。新名、プロかよ」と感心している。
「こう見えて俺、美術は毎回5っスから」
と、新名も得意そうだ。
主に新名が装飾したきらびやかなプリントシールが出来上がると、三人は仲良くハサミで切り分ける。
「こんなん、どこに貼るんだ?ちょっと恥ずかしいな…」
嵐は半分諦めたようにシールを眺めている。
「ケータイでしょ?下敷きでしょ?ノートでしょ?いっぱいあるじゃん!」
新名は早速ケータイの裏側にぺたりと一番大きなシールを貼っている。
彼のケータイはすでにいろんなプリクラでベタベタである。中には新名ひとりで撮ったものも…?翠はちょっと苦笑いしている。
新名はそんな翠をちらと盗み見し、
「あ〜っ、翠さん、なんか今俺のケータイ見て笑いましたね?じゃ。お仕置き」
と言って問答無用でシールを1つ翠のケータイの裏にぺたりと貼った。三人ともが一番変な顔をしているシールである。
「ああー!ちょっとぉ!」
翠が制するも、「まあ、いいじゃんいいじゃん」と言ってご機嫌で翠のケータイを眺めている。
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