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マイハート・ハード・ピンチ

第11章 素敵はばたき恋の歌


翌日。
繁華街のゲームセンターに3人は集まった。
ここのゲームセンターは人気の最新機種から、ちょっとしたスポーツアトラクションもある、3人のお気に入りだった。

「あっ!嵐さん、パンチングマシーンやろう!」
翠が心配していた新名の様子だが、いつも通り張り切っていろんなゲームを嵐に勧めている。
ただ、彼と翠の間には、微妙に気まずい雰囲気がただよっている。
「俺、一回パンチングマシーン壊してから、本気出すの怖えんだよ…」
嵐は耳の垂れた犬のようにちょっとしょんぼりした顔でマシーンを見ている。すると新名が、
「またまたぁ!あっ…ひょっとして、俺に負けんのが怖いとか?」
と挑発する。
「なんだと」
嵐はムキになって新名に食いかかる。
それをみて、「本当、単純なんだから」と新名はしたり顔で笑っている。
翠はそんな二人をニコニコと見守っていた。やっぱり彼女は、この二人と過ごす時間が何より好きだ。その笑顔に気がついた新名は
「翠さん、見てて!俺、絶対嵐さんに勝つから!」
と不適に笑い、Vサインをした。
翠は突然の新名の言葉に、ちょっと驚いたように彼を見たが、すぐにその日一番の笑顔で、「うん!」と返事した。
嵐は横で、
「いや、ぜってえ負けねえよ?」
と、眉尻を下げ、すこし安心したような顔で笑っている。
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