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マイハート・ハード・ピンチ

第5章 夏の庭、ホームパーティ


一方、珊瑚も、吹奏楽部の部活動に明け暮れつつ、今週末の花火大会の夜を心待ちにしていた。その日ははばたき市の高台にある、設楽邸で開かれるパーティーに招待されている。

「うちから花火大会の花火がよく見えるからって、祭りの人混みを嫌う客人たちから要望が高いんだ。それで毎年、両親が親しい人を呼んでパーティーを開いてる。だから、お前も来い。すごくラフな会だから、そんなに気を張る必要はないし」
聖司はそう言うが、彼の家のパーティーと聞くと、珊瑚にはちょっぴり格式高いような気がしてしまう。
「そうはいっても、やっぱりドレスコードとかあるんでしょ…?」
うちにあるのは、クリスマスパーティーで着るためのドレスくらいだ。そんな、高校生のバイト代で買えるレベルの安物のドレスで、浮いたりしないだろうか。珊瑚の脳裏に不安がよぎる。
「心配するな。お前に似合うドレスを俺が用意しとく。だから普段通りの服で、パーティーが始まるより少し早く俺の家に来い」
自信満々の聖司の様子に、珊瑚は面食らう。
「えっ…!そんなに迷惑、かけられない…サイズだって、わかんないだろうし…」
珊瑚は照れ隠しにちょっと素っ気ない態度をとってしまう。が、聖司は余裕だ。
「いや、俺がそうしたいからいいんだ。サイズも、だいたいわかるし」
「!?」
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