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マイハート・ハード・ピンチ

第4章 夜のプールサイド


「ほ、本当に入るの…?見つかったら怒られないかな?」
「ちょっとくらい、いいのいいの!ひゃ〜!夜のプールなんて興奮するぜ!」
「新名、声がでけえよ。…鍵開きそうか?」
「あ!開きました!」
「でかした。新名!」

暗闇に紛れるように、三人は誰もいない夜のプールサイドに立っていた。
「夜の学校のプールなんて、背徳感すごいっしょ?」
さっきからテンションが上がりっぱなしの新名は、「俺、一番乗りぃ!」なんてはしゃぎながら早速プールにダイブしている。
本当にだいじょうぶかしら、尻込みする翠に、嵐が手を差し伸べた。
「来いよ、翠」
翠は恐る恐る手を伸ばし…ふと、あることに気がついた。
「ねえ、今、わたしのこと、翠って呼んだ?」
嵐は少し照れ臭そうに視線を翠から水面にうつした。
「ああ。悪いか?」
翠は突然の出来事に動揺しながらも、嵐の手を取ってブンブン振った。
「ううん!!全然悪くないよ!とっても嬉しい。じゃあ、私も不二山くんのこと、嵐って呼んでもいい?」
翠の反応に満足したのか、嵐はそっぽを向きつつも、彼女の手を握り返した。
「よっしゃ、じゃあ手始めに、新名沈めるか」
「うん!」
翠は嵐に手を引かれながら、勢いよくプールに飛び込んだ。

「夜のプールって、ナイトプールみたいで楽しいね!」
最初は渋っていた翠も、なんだかんだ言いつつ、ばしゃばしゃとはしゃぎ回っている。
「あ〜、ナイトプールマジ憧れ〜。夏休み入ってすぐ合宿だったから、まだどこにも遊びに行けてないし。そうだ、合宿終わったらみんなでどっか行かね?」
「いいな。行こう」
「あっ!じゃあさ、今週末の花火大会にみんなで行こうよ!」
「それ賛成〜!」

こうして三泊四日の柔道部合宿が終わった。
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