第7章 暗がりの中であなたと一緒に
「俺が何故、お前に惹かれるのか、ずっと考えていたんだが」
そう言うと、髪を梳く手が、止まった。
「本当の咲は、とても綺麗で澄んだ心をしている。初めて会ったときにもそう思ったし、今日のお前を見ていても改めて思った。俺はそんなお前が好きだ」
私が理鶯さんとはじめて会った時、とてもすさんだ生活を送っていた。今でも自分で自分の気持ちに蓋をして生きている。
でも、理鶯さんがそんな風に私を見ていてくれたことが、嬉しくて、切なかった。
「せめて俺の前では、本当のお前を見せて欲しい」
私は胸が一杯になって、私は理鶯さんの手を掴み、ぎゅっと指を絡めた。背中を理鶯さんの体に預け、斜め上を向いて理鶯さんの顔を見上げると、どちらからともなく唇が重なる。
ずっとして欲しかった口付けに、体が蕩けそうになった。私は理鶯さんの指をほどいて、向かい合うように座ると、もっと欲しくて舌を絡ませる。
何度も唇を離しては、角度を変えて何度もすると、理鶯さんは私の肩が冷えないように、背中に腕を回して温かい手で肩を包んでくれた。
ある程度満足すると、唇を離し、暗がりの中で理鶯さんと目を合わせる。私もお湯をすくって理鶯さんの髪に触れて、これから始まる行為への気持ちを高ぶらせていく。
理鶯さんの体に触れているだけなのに、私の秘部はもう濡れている。愛撫なんていらなくて、すぐにでも欲しい、と思った。何も言わずに、目で訴えかけと、理鶯さんは耳元に唇を当てた。