第12章 休日の憂鬱
「意味がわからねぇ、とっとと行くぞ」
「…いやっ!ちょっと待ってください」
「は?お前ぶっ飛ばされてぇのか?」
ピキピキ、と兵長の顔に青筋が通ってる。
でも、ペトラを応援するって……
板挟みの私は思わず泣きそうになる。
「と、とにかく私一人で行きますから!!!!!」
「…あ、オイ!!」
怒鳴る兵長を置いて、調理場を走り去る。
半分泣きべそかきながら。
・
「……はぁ、…」
私はあのまますごいスピードで川まで走ってきた。
…多分訓練兵時代のランニングよりも早く。
水を飲みたいとは思ってなかったけど、
全速力で走ったせいで喉が渇いた。
手で河の水をすくうと、それを飲み干す。
「…ふぅ、」
少し落ち着いた気がする。
そろそろ、戻ろうか。
そう思って振り返ると、
「…サリー?こんなとこで何やってんだ?」
「…グンタ」
バケツを持ったグンタが私を不思議そうに見ていた。