第12章 休日の憂鬱
「まあ、仲間意識が…高い?のかな…」
「そうだよ、兵長は見た目よりずっと俺ら想いだぜ?」
「……」
うーん、と唸る私。
でも、私も赤ん坊じゃないんだから
水汲みくらい一人で行けるわよ。
そう言うと、グンタは、
「お前って鈍感なんだな」
と私の背中を叩いた。
「……はぁ?」
言ってる意味がわからない。
「まー、知らない方がいいこともある。
ほら強化訓練は明後日までだ。
あのクソ汚い古城ともあと少しでオサラバだしなー…
数少ない休日をこの辺散歩しながら過ごして来いよ」
とグンタは言葉を濁すと、
バケツに水を汲んで古城へと一人で帰って行った。
「………アイツ、変な奴…」
グンタとは訓練の業務連絡くらいしか
話すことがなかったから新鮮だった。
…さて、私もそろそろ馬小屋へ戻ってファジーの手入れでもするか。