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貴方なんて、大っ嫌い【リヴァイ】

第3章 助けてくれたのは





「そうだ、少ないがサリーに見舞いの品を持ってきた」


そう言って、団長が私の前に差し出したのは


「…!フルーツの盛り合わせ!」


盛り合わせ、と言っても食糧難のこの時代。

リンゴとバナナ、オレンジがカゴに入ったものだった。

それでも値段は引くぐらい高い。


「君はフルーツが好きだと聞いてね」


誰に聞いたのか分からないけど、
すっごく嬉しい。


「ありがとうございます!」

「おい、エルヴィン。甘やかしすぎやしねぇか?」


リヴァイ兵長が団長を睨む。


「私が個人的にあげるだけだからいいだろう?」

「嬉しいです!」

「………」


団長は優しい。

私を訓練兵時代から目にかけて貰ってるから
団長に対する私の信頼も高い。

私がキラキラした目をしていたのか、兵長が私の頭をグリグリする。


「いだだだだ」

「さっさと怪我治しやがれ」


それだけ言うと、兵長は部屋を出ていってしまった。


「…リヴァイを許してやってくれないか」


そんな兵長の背中を見つめながら私に笑いかける団長。


「彼は感情表現が上手いとは言えなくてね。
気分を害したなら彼に代わって私が謝るよ」

「……いえ、そんなことは…」


って言ってるけど、心の中では兵長が嫌いという感情が
収まることはなかった。


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