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貴方なんて、大っ嫌い【リヴァイ】

第3章 助けてくれたのは





兵長にそう言われ、ミケさんを恨んでいると医務室のドアがノックされた。


「失礼するよ」


そう入ってきたのは、


「…エルヴィン団長……」

「やあ、サリー。体調はどうだい?」


調査兵団、第13代団長エルヴィン・スミスだった。

団長とは、訓練兵時代から知り合いで、
憲兵団に行こうとした私を調査兵団に引き抜いたのは彼だった。

入団後すぐにミケ班に所属した私は、団長と関わることが少なくなり
話すことといえば、“アレのこと”だろう。


「…悪くないです」

「そうか、それは良かった」


そう言うと、リヴァイ兵長の隣の椅子に座る団長。


「それはそうとリヴァイ。
きみはここで何してたんだい?」

「こいつはリヴァイ班の班員だ。
様子を見に来る分には当たり前だろ」

「はは、お前はやはり仲間思いだな」

「そんなんじゃねぇよ」


リヴァイ兵長が吐き捨てる。

そんな兵長を笑いながら、団長が私に目を向けた。


「それはそうと、サリー。
君にまた憲兵団から引き抜きの連絡が来た」


団長の手に握られていた、一通の通達。

……やっぱり。


“アレのこと”というのは、憲兵団からの引き抜き。

通達には引き抜きの旨の書面と、私の名前が書かれていた。


「もう何度目か分からないが、これを捨てる訳にはいかない。
君は………」

「行く気ないです、調査兵団に残ります」

「……やっぱり君も、変わった子だね」


ぽん、と頭を撫でられる。

もう何度も断ってるのに、憲兵団は私を引き抜こうとする。

理由は、わかってる。


「君は、調査兵団に必要だ」


私は、調査兵団に心臓を捧げると誓った。

簡単に、憲兵に行く訳には行かない。



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