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49番目のあなた【D.Gray-man】

第17章  想い思われ反発して



何故、自分の好きな人―――すみれが幸せに暮らしてほしいという、たったそれだけの願いが叶わないのか。

何故、自ら不幸になろうとするのか。




「…すみれは何も見えてねーさ」

見えてないどころか聞く耳すら持たないし、覚えてすらいないのか。
オレの気持ちが届いてないことを思い知らされ、愕然とした。



*


先日。
すみれとリナリーとオレの3人で街へ外出し、広場ですみれと社交ダンスをした時のこと。



『―――幸せに、なっていいんさ』

『え?』

『すみれは幸せになっていいんさ』

『ど…、どうして?』

『だってすみれが幸せそうだと、リナリーも科学班の奴らも幸せそうさ!

だから、その逆も然り。
…すみれが辛そうだと、みんなも辛そうさ。


だから、皆のために幸せになるんさ』


*


「覚えておいて」と、約束した。
あん時のすみれは満更でもなさそうだった、のに。





「…見えてない、って?」


そんなこともわからないのか。
いや、分かっているならこんな話になるハズがない。


「自分自身を痛めつけんのは。ちょっと違うんじゃねーの?」

「わ、私が言いたいのは、そうじゃなくて…!」

「いーや、一緒だろ」


ああ、止められナイ。



「自分を不幸にして、周りに気を使わすのは違うんじゃねーの?」

「私はっ、周りに気を使わせてなんて…!」

「まだわかんねーの?今、目の前に。
すみれのことを思って心配してる奴がいんのに。

それに、そう思ってんのはオレだけじゃ無ぇ」



そう、オレだけじゃない。
ジョニーもタップもリーバー班長も、科学班の奴ら全員そうだ。それにリナリーに、あのユウですら気にかけている。
みんな口にしないだけですみれを心配している。



「ッ、私なんかが…何をしたって、誰も「言うな」



“誰も心配しない”ってか?



みんなが、すみれの仲間達が、こんなにも想っている。
どうして本人に伝わらないんだ。どうして…ッ



「私なんかって言うな。自分を下げるな。
“そんなことない”って、他人に言わせる前ぶりさ?」

「そ、そんなんじゃ…!」


何でだろう、オレ。
すっげぇ上手に笑えている気がする。


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