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49番目のあなた【D.Gray-man】

第17章  想い思われ反発して




「オレが飲ませちまったから、仮眠室に連れてくわ…よっこいせ!」


ジジがすみれを背中に担ごうと、

――――――パシッ


「どうした?ラビ」

「…え?あ、その」


オレはすみれに触れようとしたジジの手を払い除けていた。

(どうした…って、そんなの)


「オレが運ぶ






…ジジ達は飲みすぎてフラフラさねー!」

「おっ、そうか?そんじゃー頼むわ!」

「了解さー!」


オレは何でもないようにサッとすみれを背負い、クリスマスパーティーで賑やかな食堂を後にした。




すみれを背負いながら、オレは先程の己の行動を振り返る。



“ジジがすみれに触れる”



そう思うより先に体が勝手に動き、ジジの手を払い除けてしまった。



―――耐えられなかった。

こんな姿のすみれを他の奴らの目に晒すことも、ましてや触れられることなんて。尚更。



「オレは、どうしたいんだろうな…」


暗い廊下でポツリと呟く。

今はすみれの顔を見ていつも通りに話せる気がしない。万が一目を冷ましても顔を見られないよう背負って良かった。


最近すみれに会えなかったから、今日は一緒に居られて嬉しかった。
すみれが猫語になったのは驚いたがニャーニャー言うすみれはとても新鮮で可愛かったから、もう少し一緒にいたかったなーなんて。



「ん…」

「お、起きたか?」

「……」

「すみれ、飲みすぎさー。今、仮眠室に」

運ぼうとしたところ、と言いかけたその時。

「……ラビぃ…」



――――――――ぎゅっ…



「なっ、ちょ…すみれ?!」

すみれの細い腕がオレの首に突然巻き付く。








「……ぐぅー…」

「え……寝たさ?!

〜〜〜〜はぁぁっ!ったく…」



すみれの行動一つに、こんなにも振り回される。正直、今はこのまま目を覚まさないで欲しい。どんな顔で居ればいいのかわからない。そんなことを思いながら仮眠室のベッドにそっ…と優しくすみれを降ろした。


「…この酔っ払いめ」


腹いせにすみれの鼻を軽く摘む。すると「ンぐっ」と苦しそうに声を上げた。
そんなすみれの反応が面白くて、仕方ないくらい可愛い。

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