第17章 想い思われ反発して
すみれと今生の別れから再会までの、空白だった年月の重みを感じた。
「あっ、ジジもひる!ジジ〜〜ぃ」
「おっ、ラビも連れてきたかぁ!!」
オレの手を引くすみれが急にピタリと動きを止め、不自然に俺の手を離した。
「…あ、なんか、だめ…………」
「すみれ?……おいっ?!」
すみれは突然振子のようにグワンッと身体を揺らし、倒れ――――――
「すみれッ!!!!」
オレは慌ててすみれの手を掴もうとするも、虚しく空を切る。
―――――すみれ!!!!!
床に倒れる!!!!
「「「セーーーーーフッ!!!!」」」
ジジ、ジョニー、リーバー班長らが危機一髪のところで抱き止めた。
「………は…」
―――~~~良かった。
転倒で打ち所が悪いと大怪我をしたっておかしくない。オレはハァ〜〜〜〜〜ッと長いため息を吐いた。
「すみれっ、大丈夫さ?!」と駆け寄るも、当の本人は彼らの腕の中ですやすやと…
「……寝てるッ?!」
「んもう!飲みすぎたよ〜」
「ジジ、加減してやれって」
「いや〜悪かった!オレに合わせて無理させちまったなあ」
「…にしても、3人の連携プレー良すぎじゃね?」
「あぁ!すみれね、飲みすぎちゃうと意識なくなるかのように突然寝ちゃうことあるんだよね」
「前にもあったよな。そん時もジジが」
「いやいや!オレじゃねーよ、あん時は…」
「……へぇー」
やはりそこにはオレの知らないすみれが居た。
(わかっちゃいたが、やっぱり…
全然、面白くねーさ)
「うぅん〜……」
「…はは」
オレの気持ちなんて露知らず、すみれは気持ちよさそうに寝入っている。こんな無防備な寝顔を晒して。貴族令嬢のすみれを知っているからこそ、今の姿が信じられない。
「仮眠室に運んだほうがいいっすよね?」
「そうだな。まだパーティーは始まったばかりだしな」
「ったくよぉ!早々に潰れちまって」
ジョニー達は酔っ払いのすみれを慣れた手付きで介抱しようとするも、彼らも相当飲んでいるようですみれに手こずっているようだ。