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49番目のあなた【D.Gray-man】

第11章  Xmasと、おめでとう《番外編》


「へぇ〜楽しそう!」

「その場にいる最年少の奴が、誰がどれ食べるか決めるらしいんで…俺最年少!ってことで、俺の分こっちさ♪」

ガレット・デ・ロワを、俺とすみれの二人で分ける。黙々と食べ進めると、

ザクッ

(おっ!)

「…当たったさ!」

そして、当たった人は王様となる。
だから、すみれにーーーー


「え、ディックも?私もなんだけど!」

「へっ?!そんなことある??」

俺は口に入ってしまった陶器人形を、べぇっとすみれに見せた。
それはすみれのガレット・デ・ロワからたった今出てきた、同じ白いウサギの小さな陶器人形だった。


「お店の人が、間違って2つ入れちゃったんだねえ」

「(マ、マジか……!!!)じゃあ、今年俺ら2人とも幸せになるってことで♪」

俺はお店の人に言われた事を思い出す。


『ガレット・デ・ロワの陶器人形が当たった人はその日、王様になり皆から祝福される。

そして、王様になった人は、相手の王妃様選ぶーーー。』

だから俺に陶器人形が当たったら、すみれに言っみようと思ってた。


“今日1日、俺の王妃様になって”


(…言ったら、すみれはどんな反応したかねえ)

テーブルに並んだ、白いうさぎの陶器人形はまるで恋人のようで。
俺の叶わない想いを、替わりに叶えてくれているように見えた。

(…幸せは、欲張っちゃ駄目さね)

今、目の前にある幸せを大切にしたい。
俺は生きて、すみれに再び会いたかった。

それが叶っただけで、充分さ。



「俺さ」

「うん?」

「こうゆうハロウィンとか、Xmasとか、年末年始とか。どーでもいいって思ってた。」

すみれと一緒にいるだけでいいって思う反面、すみれと一緒にいる度に欲張りな俺が現れる。

「でも、すみれとハロウィン楽しんでみて思ったんさ。日常の日々に彩りを与えるのは、たまにある娯楽なんかなって。

…こうゆう季節の祝い事の意味も大事だけど、それを誰かと共有して、過ごすことに意味があるんかなって。」

それを教えてくれたのは、まぎれも無くすみれさ。


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