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49番目のあなた【D.Gray-man】

第11章  Xmasと、おめでとう《番外編》


「何気ない日々の感謝を、こうゆうイベントに乗せて伝えるもんなのかなって…ちょっと、思ったんさ。だから、」

すみれに、伝えなきゃいけないって思ったんだ。
俺はすみれの隣へ移動し、腰を屈め目線を合せる。

「すみれ、いつもありがとう。

メリークリスマス」


こんな俺を、いつも待っていてくれて。
自分を待ってくれる人がいることが、帰る場所があることが。こんなにも幸せなものだったなんて、知らなかったさ。


「そして、明けましておめでとう。…今年もよろしく、な」


“今年もよろしく”

あと、どのくらい会えるだろう。一緒に居られるだろう。
この言葉は残酷かもしれないけど、どうしても言いたかった。言って、俺自身がまだ会える事を実感したかった。

すみれはフリーズしてしまったかのように何も言わず、只々俺を見つめるだけだった。


「………なんか言ってさ。恥ズイ」

「ごめ、ちょっと…吃驚して。ううん、すごく嬉しくてっ!

め、メリークリスマス、ディック!…こちらこそ。今年もよろしくね」

「手編みのマフラー、すっげえ嬉しかったさ。ずっと大切にする。」

「うん。…ディック、いつもありがとね」


(それは本当に、俺の方こそ、さ。)



ーーーすみれ、大好きさ。



心の中で、俺はそっと呟いた。


「……今日はっ!Xmasと年末年始のお祝いさ!」

楽しむぞー!と俺は拳を上げ、しんみりした雰囲気を取っ払い、楽しいムードに変えた。

「すみれにさ、こんなお菓子も買ってきたんだぜ!」

「…えっ、これ、食べられるの?!」

「これは東洋の土産でー」


こんなお土産やXmasプレゼントのポインセチアで、すみれから貰ったマフラーのお返しになんて到底及ばない。すみれの楽しそうな顔が絶え間なくて、結局俺の心ばかり満たされてしまった。

時間が許される限り、すみれに会えなかった分を埋めるようXmasと年末年始のパーティーを楽しんだ。









数年後。



「ラビ、そのマフラーって…」

「ん?あ、コレ?
…使い勝手がよくて、今も使ってるだけさ」


別れを経て再開する、その日までーーーー。
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