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49番目のあなた【D.Gray-man】

第11章  Xmasと、おめでとう《番外編》



こうやって、楽しく過ごすことが再び出来ただけでも充分さ。
この幸せをしみじみ噛み締めていると、


クイクイっ

すみれがポインセチアを抱えて、俺の服をちょこんと摘んできた。


「ディック」

「ん?」

「ありがとね…大事にする」

「……………おう。







…あとあと!これ!!これも一緒に食いたかったんさ!」

(あっぶね…ッ!!)

か、可愛すぎか…ッ!!!
目を細め、頬をほんのり染め、顔をほころばせるすみれ。そして、この微妙な距離感。

(…っとにもう、すみれは!!!)

全っっ然わかってない!!!
分かられたら困るけど!!
俺の苦労を全っっくわかってない!!

折角年寄りみたいに穏やかな気持ちで、すみれと過ごせるようになったと思ったのに!

(結局、こうなんのかあ。俺…)

すみれの言動1つで全て持ってかれる。蓋をしていた下心全開の俺が顔を出す。

(すみれのこと、抱きしめてぇ)

つか、触りたい さ





「これはアップルパイ…?」

「…ガレット・デ・ロワ!フランスで1月に食べるお菓子さ。

この生地の中にちっさな陶器の人形が入ってて、それが当たるとこの1年幸せになれるとか」


何事もなかったように、俺はすみれと話し出す。

…もうこれは仕方ない、一生の付き合いさ。だって健全な男子だもん、俺。

トホホ、と心の中で俺は泣いた。

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