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49番目のあなた【D.Gray-man】

第11章  Xmasと、おめでとう《番外編》



「すみれさあ」

「!(あ、食べてみれば意外と美味し…)
うん、なあに?」

「袋から見えるソレ、何か作ってるのぉ?」


ロードがスプーンで指すソレとは、毛糸玉のことであった。すみれは不思議な色をしたパフェを口に運ぶ。


「あ、これ?マフラー編んでるんだ」

「好きな人にぃ?」

「っ?!ゴホッ、ゴホ…ッ」


突然核心を突かれてしまい、すみれは思わず咳き込んでしまった。何でっ、わかっ…?!
一人で焦っているすみれを見て、可愛いなあ♪と茶化すロードだが、


「喜んでくれるといいねえ。でも、







ーーーよりによって、“ブックマン”の子かぁ」



「えっ?」

ぶっく…?



「ううん、何でもないよぉ」

ロードはニコぉっと笑ってみせるが、その笑顔はこれ以上聞くなと言っているようで、すみれは背筋に悪寒が走った。


「…ッ、ここのパフェ、食べてみると美味し」

「ねえ、すみれ」

ロードに会話を遮られる。

「最近、ティッキーが寂しそうなんだよねぇ。なんでかな〜」

「え…?」

「家族が寂しそうなのは、悲しいよねェ。誰がティッキーをそうさせるんだろぉー」

脈絡のない突然の話題に、すみれは耳を傾けることしか出来なかった。

「ティッキーを寂しがらせる奴はぁ、許せない。




家族をそんな目に合わせる奴はぁ、許さない。」



“許サナイ”



ロードの姿が、肌が、目の色が。
一瞬、肌は白から褐色に、黒目が金色に変貌したように見えた。


「…ッ?!」


再びロードを見るも、そこにはいつものロードが座っていた。だけど、笑顔のロードが、憤怒を滲ませているように見えた。


「あっ!ねえねえ、これからボクの家に来ない〜?すみれなら皆、喜ぶよぉ」


何故だろう。
この誘いに乗ってはいけないと、体中が警告を上げている。


「……折角だけど、またにするね。だって今日はXmasイブだもの!お邪魔したら悪いよ」


家族で楽しんでね!と、笑顔で返答した。

ちゃんと笑えているだろうか。指が、手が、カタカタと震えてしまいそうだった。
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