• テキストサイズ

49番目のあなた【D.Gray-man】

第11章  Xmasと、おめでとう《番外編》



「ふ〜ん。つまんないのぉ〜」

ロードはガタッと席を立つ。

「ボク、もう帰るねぇ」


またね〜♪と、ロードはお店を出て行ってしまった。すみれは一瞬、安堵の溜息を漏らすも、すぐにハッとし、


「…ロードちゃん!待って!!」

荷物を持ち、ロードを追いかけてお店を出た。

「ロード、ちゃん…?」


忽然と消えてしまったかの様に、ロードの姿はお店の外にも、何処にも見当たらなかった。

注文した品の会計を済ます為に、すみれはカフェに戻ろうとするも、あの不思議なカフェに再び辿り着くことは出来なかった。










「今日は、疲れたな…」

すみれは寝間着で、ボフッとベッドに倒れ込んだ。色んな事を考えたせいか、出かけたせいなのか…


「きっと、全部だ。」


今日を含め、ずっと色んな事があり疲れたんだ。そうに違いない。だから、余計に恋しくなる。


「ディックに、会いたいな…」


カチッ

ボーン ボーン
ボーン ボーン


振り子時計が、深夜0時を知らせる音を鳴らす。


「メリー、クリスマス…」


(サンタさんは、来なかったな。
私の欲しい物は、何ももらえなさそうだ…)


そんな事を思いながら、すみれは深い眠りについた。








クリスマスを過ぎても
年末が来て、年始が過ぎても


白いマフラーを編み終わり、フリンジまで付けても



寒波が来て、まだ溶けきっていない積雪に再び雪が積もっても



ディックがすみれのもとに、現れることはなかった。







/ 355ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp