• テキストサイズ

49番目のあなた【D.Gray-man】

第11章  Xmasと、おめでとう《番外編》



「…わあ、綺麗。」

冬は乾燥するため、夜空の星達の瞬きがよく見える。



バルコニーにて、夜風に当る。
ドレスで冬の夜風は寒すぎるが、一瞬で思考が冷静になった気がした。


(…うん、大丈夫。)


いくら考えたって、ディックの思考がわかるわけない。

ディックの気持ちなんて、そんなのディックにしかわからない。いつまでくよくよしたって仕方ない。


(ディックに、聞こう…)




ディックは私のこと、どう思ってるの?

私はディックのことが


好きだよ



「…っ」

心の中でシュミレーションしただけで、頬が火照る。ディックの気持ちはわからないが、なんとなく。なんとなく、確信がある。

だから、聞こうと思う。
きっと、“俺も”って言ってくれるんじゃないかと思う。

……想像しただけで、ドキドキが止まらない。
Xmasプレゼントと一緒に、思いを告げよう。

だから、早く屋敷に帰って、続きをやらなくちゃ。


(ディック、喜んでくれるかな)


今、マフラーを編んでいる。
ディックからストールを貰ってしまった(処分できなかった)ので、お返しにと思って編み始めた。
時期も時期なので、Xmasプレゼントにしてもいいかなって。

(早く、編まなきゃ)


ディックと会える、その日までに。

早く、会いたい




「?、すみれご令嬢、どうかなさいました?」

「いえっ!何でもありません!」


彼と距離が近い気がして、少し距離を取る。
ディックとの距離が近くても、距離を取ることなんて絶対にしない。

ああ、もう頭の中はディックのことでいっぱいだ。


「そろそろ中へ戻りましょう?ダンスの次曲も聞こえ…」

歩を進め、バルコニーを立ち去ろうとする


がしっ


「…すみれご令嬢、本気でソレ言ってます?」

腕を捕まれ、振り解こうとしたが相手の力がそれを阻止する。

何故か嫌な気がした


「…ッ
これ以上の時間をここで過ごしたら、お互い風邪を引いてしまうでしょう?」

「それでしたら二人きりになれる、暖まれる所に行きましょう!ご案内致しますよ」

ぐいっ


「わ…やっ?!」

無理矢理に腕を引かれ、彼の腕に閉じ込められる。


「……ッッ!!」

ぞわわッ



すみれの肌には、寒さからでない鳥肌が立つ。
/ 355ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp