第3章 女海賊爆誕
○○がカラ松を見た。その目はとても妖艶で、カラ松は思わず生唾を飲み込んだ。
「あの」
「な、なんだ?」
うわずった声で聞けば、○○は困惑した表情を見せた。
「私、どうなったんですか…?体が引き裂かれるかと思うくらいに痛かったんですけれど…」
「へっ?!あ、ああ!デカパンの薬を飲んだからだ。見てみろ、焼き印が消えてるぞ」
しばらく考えていた○○だったがはっとした顔で手首を見ると、焼き印は最初からなかったかのように消えていた。○○がこれ以上ないほどの笑顔を見せた。
「……ああ…!消えてる!焼き印が消えてる!私はもう奴隷じゃないんですね?!」
カラ松はフッと笑うと○○を腕の中に優しく包み込んだ。
「ああ、そうだ。これからのお前は俺の女として生きるんだ。いいな?」
○○は嬉し涙をいっぱい溜めてカラ松に抱きつく。
「ありがとうございます…!ありがとうございます…!」
「いや、礼ならデカパンに言ってくれ。俺は今まで○○のような女を解放してきたが、焼き印がある娘は解放するだけじゃダメなんだな」
「いいえ、船長がやったことは間違ってはいません。こんな焼き印されているのは、恐らく私だけでしょうから。王女だとバレても奴隷だという証拠があれば、奴隷を王家としていさせることはできませんから」
「そういうことか。ああ、それと」
カラ松は○○の鼻に指をトンと当てて優しく微笑んだ。
「敬語はなしだ」
「あら、そんなことを言っていいんですか?タガを外してしまいますよ?」
○○のタガが外れる。その言葉はカラ松の興味と悪戯心を惹き付けるのに十分だった。
「ふっ。言うじゃないか。そのタガを外したお前を見せてくれ」
「いいんですね?自由にやっても」
まだそうやって意味深な言葉を投げ掛ける○○に、カラ松は業を煮やした。
「いいから早く見せてくれ」
すると○○は不敵な笑みを浮かべて船の縁に片足をかけ、すぅっと息を大きく吸い込んだ。そして
「イヤミ!てめぇ、よくもこのあたしを奴隷商人なんかに売り飛ばしやがったな?!首根っこ洗って待ってやがれ、必ず貴様を制圧して王権を取り戻してやるからな!王女が何も出来ないと思ったら大間違いだぞ、クソがぁああああ!!」