第3章 女海賊爆誕
その場にいた船員全員が手を止めて○○を見る。○○はカラ松たちの方を向くと大きなため息をついた。
「はー。すっきりした」
「「か、かわいいー!」」
「はっはっはっはっは!それでこそ俺が惚れた女だぜ!改めてようこそ、俺の船へ。俺たちはオザーキ海賊団。船長のカラ松だ」
「医師のデカパンダス」
「コック長のチビ太だ、バーロー!」
「見張りのハタ坊だジョー!」
「航海士のダヨーンだヨーン」
他の船員たちも○○に挨拶した。
「王女様!国を取り戻すダス!」
「俺たちも力を貸すぜ!てやんでぇ、バーロー、チキショー!」
「危険な海域があるけど、ダヨーンも頑張るヨーン!」
「ハタ坊も負けないジョー」
その危険な海域とは何なのか聞いてみると、ダヨーンは地図を出してきた。
「今ここなんだヨン。ここからハジメ国へはどう行ってもここを通るんだヨン。ここは死の海域と呼ばれていて、何艘もの船が座礁してるって噂だヨン」
ダヨーンが示したその場所は海底の岩がいくつも複雑に隆起した場所で、その岩の場所を知らない者には到底通れないようになっている。従って岩に座礁して立ち往生したままの船がいくつもあるというのだ。
「はあ?!めんどくせぇな、チキショー!」
「でもその船の人たちはどうしたのかしら?まさかその中で…?」
「可能性はあるヨン」
「もしかしたらイヤミはその立ち往生した船の船員だったとか?」
「可能性はあるヨン」
「いずれにしても、想定できる範囲であることは間違いない。だがダヨーンなら行けるだろう?」
「頑張るヨーン」
それから数日後。
「船長!クズニート海賊団だジョー!」
クズニート海賊団には前に一度攻め入られたが、返り討ちにしたはずだ。
「ふっ。こりない奴らめ」
そうこうするうちに向こうから誰かやって来た。
「よ、クソ松」
「ふん。またやられに来たのか、おそ松?」
「うるせえ!今日こそお前らの船をいただくぜ!かかれ!」
「「おー!」」
次々と船に乗り込むクズニート海賊団の団員たち。カラ松たちも応戦する。
「動くな!この女がどうなってもいいのか?!」
チョロ松が○○を捕まえ、頭に銃を突きつけている。
「お前ら、卑怯だぞ!」
「オザーキ海賊団も落ちぶれたね。女を乗せるなんてさ」