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[おそ松さん][カラ松]海賊王カラ松

第2章 奴隷の印


その時になってカラ松は、自分が彼女の全裸をしっかり見ていたことに気付いた。

「さ、さっきはすまない。君の裸を見てしまって…」

赤面しながら言うと逆に不思議そうな顔をされた。

「それが普通だと思いますけど」

「…え?」

「奴隷が逃げないように見張ってらしたのでしょう?」

「君はもう、奴隷じゃない」

「いいえ。これが有る限り、奴隷です」

そう言って彼女は手首にある奴隷の証の焼き印を見せた。だがこれを嫌う貴族も多いため、よほどでなければされない。

「これが有る限り、私は奴隷のままです」

その表情は悲しんでいるようでもあり、諦めているようでもあった。そこへ困った顔のデカパンがやって来た。

「遅いダス!何をやってるダスか?待ちくたびれたダスよ」

「ああ、すまんな。すっかり話し込んでしまった」

全く…と小声で文句を言いながら彼女を見たデカパンは、へたりこんでしまった。

「あ、あなたは…!」

そして彼女に向かって片ひざをついて

「船長、あなたは本当に妙な運命を持った人ダスな。このお方はハジメ国の王女、○○様ダス」

「えっ?!」

驚いて○○を見ると、デカパンに手を差し伸べていた。

「もう私は王女ではありません。ただの奴隷です」

「あの日ワスらは見ていることしか出来なかったダス。いや、何もしないで見ていただけだったんダス。大臣のイヤミに騙され国を奪われた上に、王女様は奴隷として売られていたとは……!でも、その日々も終わりダス!さあ、これを飲むダス!」

デカパンは小さなビンを差し出した。

「それを飲めば、その焼き印すら消えてしまうダス。ただし少しの間、全身に激痛が走るという副作用があるダス」

「だがこのままよりはいいだろう。さあ、飲むんだ」

「…ご主人様の命令に従います」

○○はビンを受け取り、一気に飲んだ。その数十秒後、○○が急に苦しみ出した。

「…ぐっ……ぅあ……っはぁっ!……がっ!」

船内で暴れだす○○。戻ってきた船員たちも驚いてわたわたするしかない。

「せ、船長!これはどういうことなんですかい、チキショー!」

「薬の副作用だ。だがこのままでは船から落ちてしまう!」

カラ松はなんとか○○を捕まえると、そのまま抱きしめた。

「しっかりしろ!俺にしがみつけ!」
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