第5章 ハジメ国へ
「ホエホエー。トド松くん、洗濯はワスも手伝うダスよ」
「わあ!ありがとう、デカパン!」
おそ松たちの仕事が決まったところで朝食となった。目玉焼きに焼き魚、味噌汁というオーソドックスな朝食だ。
「「いただきまーす」」
食べ始めた船員たちにカラ松はあの問題を切り出した。
「みんな、食べながら聞いてくれ。知っての通り○○がハジメ国の王女で、王権を取り戻そうとしている。だが俺と○○は愛し合ってるんだ。俺は海賊で、育ての親シャーザーにこの船を託されている」
「イヤミの悪政が終わっていればいいんだけど、そうでなかったら…私が王妃になったら私とカラ松は別れなくてはならないの。どうしたらいいか、みんなの意見を聞かせて欲しいの」
するとおそ松がイラついた様子で口を開いた。
「俺さあ、俺なりにあの後考えたんだよ。そりゃ王権は元々○○ちゃんのものだろうけどさ、一度は奴隷になったんでしょ?それにさ、イヤミの悪政が続いてるかどうかなんて、ここで言ってても仕方ないじゃん。クーデターが起こってるかもだし、ハジメ国に行ってから考えてもよくね?ていうかこっちは朝からお前らのノロケ話聞かされてさ!何の拷問?ラブハラ?うっぜ!」
トド松も呆れ顔で言う。
「夕べ随分船揺れてたけど、何してたの?起きちゃったんだけど」
とたんに真っ赤になる二人を見ておそ松たちは全てを察した。
「あ"あ"?ざけんじゃねぇぞ、クソ松が!何しれっとやることやってんだよ?!自分だけ童貞卒業しやがって!ふざけんな、ケツ毛燃やすぞ!」
「ころーす!」
「死ね、クソ松!」
「まあ、そうじゃないかとは思ったけどね。今度からは他の場所でやってよね?!嵐かと思ったし!」
「「はぁい。さーせんしたー」」
同時に返事をして笑い合う二人。
「そうだな。まだ慌てることはないさ」
「奴隷から解放されて、慌ててしまったわね。ごめんなさい」
「どのみちハジメ国に行くんだ。答えを出すのはそれからにしようじゃないか」
「そうね。どうなってるか、この目で確かめないとね」
「ああ、その通りだ。よぅし野郎ども!ハジメ国へ向かうぞ!」
「「おおーっ!」」
こうしてオザーキ海賊団は遥か遠くハジメ国へと向かったのだった。