第5章 ハジメ国へ
「カラ松…!」
「俺の初めてを受け取ってくれないか」
「わ、私も…初めて、なんだからね?」
月明かりの下で口付けを交わし、互いに寄り添って部屋に戻る二人。○○を優しくベッドに寝かせ、服をゆっくり脱がしていく。○○もカラ松の服を脱がす。その時○○は初めてカラ松の体を見た。幾度も戦ってきたと思わせるほどの無数の傷。その一つ一つを指でなぞると、カラ松の体がピクッと反応した。
「ごめんなさい、痛かった?」
「いや、痛くはないさ。そんな風に触られるとは思ってなかったんでな」
カラ松の手が優しく○○を愛撫する。やがて二人の影は一つとなり、優しく甘い、熱い夜を過ごした。
次の朝。
「てやんでぇバーローチキショー!起きろ起きろ!いつまでも寝てんじゃねぇぞ、こんちくしょー!」
鍋をお玉で叩きながらチビ太が叫ぶ。すると船室からぞろぞろとおそ松たちが起きてきた。
「ふぁああああ。あんだよ、チビ太。もう少し寝かせろよ」
「てやんでぇバーロー!海賊がそんなことでどうするんでぇ!」
「カラ松兄さんも起きてないしぃ」
そう言うトド松の後ろの台所からカラ松と○○が出てきた。
「誰が寝てるって?んー?」
「船長はよ、いつもおいらを手伝って下さるんだ。お前らも何か仕事しやがれ、バーロー。働かざる者食うべからずだ、てやんでぇ!」
「何すればいいの?」
「ホエホエー。甲板掃除、洗濯、見張りの交代に食器洗い。色々あるダス」
十四松に答えたのはデカパンだった。
「航海士ももう一人欲しいヨーン」
ダヨーンの言葉におそ松が愚痴をこぼす。
「えー?楽なのがいいー!」
「楽な仕事などないぞ。文句があるなら降りてもらうまでだ」
「だー!分かったよ、もー!じゃあ俺、食器洗いね」
「ふっ。食器洗いにはもれなく見張りの交代もついてくるが、それでいいんだな?」
「えー?!一番簡単なのは?」
「甲板掃除ダスな」
「甲板掃除は二人いるな」
「はいはいはははーい!僕やるー!」
「おっ、十四松!一緒にやろうぜー」
「あい!」
「さぼったら飯抜きだからな、バーロー」
「じゃあ僕、見張りの交代がいいな!」
「俺、航海士だからダヨーンの交代要員やる…」
「えー!チョロ松兄さん、一松兄さんずるい!じゃあ僕、洗濯するよ」