第1章 epilogue
「ついた」
そう言われて連れて行かれたのは中庭の温室だった
『ここ温室よね?一度授業できた』
「んーそうだっけ」
『でもここに何があるっていうの?』
「いいから、いいから」
そう腕を引かれたまま温室の中に入り、フロイドが立ち止まった場所は
一面に秋の魔法花が咲いた花壇だった
『きれい、、、』
「でしょう?ペンギンちゃんずーっとあそこに篭ってるし。ずーっとずーっと勉強してるし?眉間にシワ寄せてるし」
『そう…だった?』
眉間のシワなんて指摘されたのは初めてだった
起きている時間を勉強に費やすことはエレメンタリースクールの時から変わっていない
もしかしたらずっとそうだったのかもしれない。
でもそんなことを指摘する人なんて嫌煙されてた僕にはいなかった
「おやフロイドここにいたんですね」
「あ、ジェイド」
フロイドの発言に考え込んでいる時、後ろからかけられた声
「おや、名前さんもいたんですね」
「ずーっと図書館に篭ってるし?なんか悩んでそうだから連れてきた」
『僕は悩んでなんか…!』
「おや、悩み事ですか。…それは一ついいことを教えてあげましょう」
『いいこと…?』
「悩み事があるならアズールに相談したらどうでしょう、アズールならきっとあなたにぴったりの答えを持っているでしょう」
そういうジェイドは不敵に笑った
僕は縫い付けられたように彼から目が離せなかった
『アズールを…?』
「えぇ、…フロイド、行きますよ。アズールが呼んでいます。」
「ちぇーっ、じゃあねペンギンちゃん」
そう私に一声かけてフロイドはジェイドと共に温室を出て行ってしまった
僕は心をかき乱されたまま、しばらくその場を動くことができなかった
そうこの日の一連の流れが、3人の計画の一部であるなんて。
僕は全く気がついていなかったんだ