第1章 epilogue
「今日も君はここにいたんだね。」
『あぁ、リドル。寮長の仕事とかはいいの?』
放課後図書室で勉強をしているとリドルに声をかけられた、それはリドルが寮長になって2週間近く経った頃だった
授業中はともかく放課後は寮長の仕事で忙しそうだったから、ここで会うのは久しぶりだった
「じゃなきゃここに来てないよ。」
『それもそうか。』
「名前は部活に入らないのか?毎日ここにいるらしいけど、この学校の大半の生徒は入っているだろう?」
『確かにここには毎日いるけど。部活か、、うーん。考えたことなかったな。特にやりたいことがあるわけではないし。』
「君はここで毎日勉強して真面目だね。」
『真面目なんかじゃないよ、ただこれしかできなかったから。』
「え?」
弟が生まれるまでたくさんの知識を詰め込まれた。
後継者になることが僕の全て、それが認められる唯一の方法だった
勉強はそのための手段に過ぎない
『なんでもない』
そんなことリドルにいうことはできず
そう言って笑うことしかできない
『リドルは?部活も入ったって聞いてたけど、どうして僕に付き合って、ここでこうして勉強してくれるの?寮長の仕事もあるから忙しいだろうに』
「君と僕は似ている気がするから落ち着くんだ。それに1人で勉強するのは寮でもできるが一緒にすることで学べることもあるだろう?」
似ている
そうリドルに言われたのは何回目だろう
『ずっと聴きたかったんだけど、僕とリドル、、、、』
「あ、ペンギンちゃんいた!金魚ちゃんもいる!!」
リドルに聞こうと思った時に遮られるように後ろから聞こえる声
聞こえた方向に顔を上げるとフロイドがいたのが見えた
『うるさいよ、フロイド。ここは図書室だよ。』
同じクラス/同じ寮のフロイドはなぜだか僕に頻回に絡んできていた。
「ねぇねぇアズールもジェイドもいなくて暇なの相手してよ」
「彼が来ると勉強にならなそうだからね、僕は失礼するよ」
『ちょ、リドル!!』
フロイドを見つけていなくなってしまったリドル
この前フロイド苦手って言ってたからなぁ
『フロイドきたからリドル行っちゃったじゃん』
「えー、じゃあさ、ペンギンちゃん相手してよ」
そう言ったフロイドはニコニコ楽しそうにしていた