第1章 epilogue
レオナさんに案内された部屋は少しごちゃごちゃしてて
温室で寝ていた彼を思うとすごく彼らしいなと感じた
『このこと話すの初めてだから何から話したらいいかわからないんだけど、ラギーくんは名字家って言う一族のことは知ってる?』
「名前くんの家っすか?」
『そう僕の家、海の中にあるんだけど、そこがなかなかの大きな一族だったの』
…ガチャ
本題を話そうとしたとき開いたドア
「あ?なんでここにいるんだお前ら、ここは俺の部屋だぞ?」
部屋に入ってきたのは部屋の持ち主であるレオナさんだった
「おかえりなさいレオナさん、補習終わったっすか?名前くんの事情を聞こうと思って、ここならレオナさん以外入ってこないでしょ?」
「で?どんな話を聞いてたんだよ?」
「それはまだこれから…続き話してもらっていいっすよ」
僕は一呼吸置いて話し出した
『さっきラギーくんには言った僕の一族は大きいって話したでしょ?やっぱりそういうところだから後継者争いというものが存在するの。後継者になれるのは男。僕は女。物心つく頃から英才教育を受けていたんだけどことあるごとに言われたの"どうしてお前は女なんだ"って』
ラギーくんの息を飲む声が聞こえた
『両親にとって、あの人にとって女である僕は存在がいらないみたいに。エレメンタリースクールで一番をとっても褒めてくれないくせに、何かあると女であることを責められる。だから僕は男として育てられ、男として生きることにした、』
話している僕の声はいつもより低かったと思う