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鏡の中から

第9章 始まり




「雅龍…貴方の子は…神楽を引き継ぎ…
後へと続く…
貴方と私の子が神楽を支える


貴方との子は…龍の宝珠を抱きし子なり」


宝珠…を?

人との間に…

出来た子に…授かると言うのか?

龍族が親から受け継ぎし…能力の玉

それを人の子との間に出来た子に…

授かると言うのか?

人が…龍を産むのか?

そんな事をしたら…

夏海の母体が…

あ!………だから?


夏海は…命を落とすと言うのか?

人は…龍など産めない

人と、龍は…種族が違う

体の仕組みも、構造も違う

雅龍は…それに気づかなかった

今まで…神楽の巫女と…契って来た

世代交代して、鏡から…出るたび

幾多の人を…抱いた

誰も…妊娠などしなかった

生で…射精しまくって…出来るなら出来てしまえ…

想って…快楽に溺れた時もあるのに

何と言う…皮肉


何と言う…

悲しい現実なんだ…


夏海は…子を産む

最高に…嬉しい出来事が…

悲しい現実となる

愛する我が子をこの世に産み落とし

母となる

愛して育てる…我が子との時間


母となり、子供の成長を楽しみに…

過ごす時間が…

永遠ではないと言うのか?



日々育つ子供は愛しき存在となる



子供が一番可愛い…盛に…

母を亡くした…子はどうなる?

父を亡くした子は…どう生きる?

本当なら…ずっと側で…共に生きていきたい筈

あまりにも…酷い

あまりにも…辛すぎる

雅龍は…夏海を抱き締め

泣いた


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