第9章 始まり
「雅龍…私は、二十歳を前に…
この世を去るみたい…
高校を卒業する年…
私は子を授かる……
お婆様は私の子の道筋を着けて黄泉に渡るしかなくなった
18まで…あと一年……」
夏海は…自分の未来を…
静かに話す
「子を…この世に産み出して…
1年後…私は…命を落とす
雅龍…貴方と永遠に…離れない世界へ行くの…」
「夏海…夏海…」
雅龍は…
止めどなく流れる涙を…
止められなかった
「我は…抱いては…いけなかったのか?」
「雅龍、星は変わる
私の未来も…変化を遂げた
それだけ…
雅龍を、受け入れた事を後悔なんてしてない
後悔なんてしたら…
私が可哀想じゃない!」
夏海は…雅龍を抱き締めた
「雅龍、私達は…
これより始まるの」
夏海が死ぬ日を…カウントするのに…
始まるとは…
考えなくなどない!
「私の未来は…此より始まる
悔いのない日々を送らなきゃね」
雅龍は首をふる
嫌だ…
そんなのは堪えられない…
と、首をふった