第3章 契り
「この鏡には雅龍と言う龍属の者
神楽の家に仕えし契約を結んだ者を封印してあるのじゃ」
「なんで、そんなのが鏡から出るわけよぉ~」
「お前がチューしたからじゃろ?」
「なら最初に言っておいてよぉ!」
「聞かぬからな…言わなかったのじゃ」
この!クソ婆あ!
夏海は心の中で毒づいた
「夏海、既に遅し!
クソ婆あ!なんて言ってもな!
遅いのじゃ!」
お婆様は、ほほほ!と笑った
「幾久しいな雅龍」
お婆様が話し掛けると、蕪村な態度の煙は…
「雅世か…老けたな」
「そりゃあ、お主が鏡に入ってから80年は過ぎておるからな!」
お婆様はほほほ!と笑った
「80年の間…何故誰も我を出せなかったんだ?」
雅龍はぷんぷんと、怒る
夏海は、何だ…お婆様の知り合いか…
と、抜け足差し足…と蔵から出ようとした
すると雅龍の腕が…夏海に伸び
掴んで離さなかった
「待っておれ!
今暫く動くでない!」
雅龍はそう言い…腕の中に夏海を納めた