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鏡の中から

第7章 変化




「茜は…姉になりすまし…

家に入り込んだ

父や母を…この世から消し去り

邪魔物は排除した

僕は…この離れに追いやられ…

死して…果てるのを待たれている

僕は…自分の命と引き換えに…

悪魔と契約を結んだ

茜に殺される前に…

僕は…悪魔と契約を結んだから…

アイツは僕には手は出せなくなった

それ以来、手を変え、品を変え…

呪術者を送り込まれた」

             

暁也は、そこまで喋り…

ククククッと嗤った


「だが誰一人

この部屋までは…

辿り着けませんでしたけどね」

悪魔に見えた

悪魔と契約を交わしたと言うだけあって

目の前の

松平 暁也は…

悪魔にしか見えなかった



「僕を姉の所へ連れて行って下さい」

夏海は覚悟を決めて、暁也に問い質す

「連れて行ったら…どうすると言うの?」

「姉を…本来の場所に還したい
還れないなら…二人して彷徨おうか?」

思案して暁也は、愉しげに嗤う

雅龍が静かに…

「茜の中にいたご婦人は
もう…人には戻れはせぬ…」

悲しい現実を…暁也に伝える

暁也も…既に…人には非ず

「ならば…この家ごと…消し去ってしまおうか…
本宅に…連れて行ってくれたなら…
帰られるが良い
お前達が…離れて…暫くしたら…
総てを燃やす…」

長年…離れに閉じ込められ

悪魔と契約を結んだ体では

人として生きるのは無理だ

ならば…姉と共に…

黄泉へと旅立ちたい




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