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鏡の中から

第7章 変化




部屋に入ると

空気が冷たく

重たかった

「雅龍…」

「なんだ?」

「松平 茜さんの顔を懐かしそうに見てたでしょ?」

「懐かしそうではない…」

しらばっくれる雅龍に

「神楽 茜に似ていたか?」と揶揄する

「そう言うのとは…違う」

雅龍は、茜に似ているのではない…と告げた

「そう。」

聞いたのに、夏海は興味もなさそうに

返した

「夏海?」

どうしたのだ?

問い掛ける

だけど、夏海は雅龍すら

その瞳には映さなかった

「夏海!夏海…」

雅龍は不安になり…夏海の名を呼んだ

「雅龍、来るわよ!」

魔物が近寄る気配を感じて

夏海は叫んだ

雅龍は意識を切り換える

心に…違和感を感じて

夏海を掴めないでいたが…

目の前の戦いに…

それすら、問い掛けれはしなかった


部屋の奥から、頭は髑髏、体は骨のみの骨格で出来た姿をした化け物が、夏海と雅龍を目掛け…

襲ってきた

雅龍が、髑髏に炎を放つ

ぎゃぁーと言い髑髏は消えるが…

次から次へと…わいて出て来た

「キリがないわね!」

わらわら…髑髏が二人を襲う

夏海は…目の前にいた髑髏のあばら骨を一本

取ってみた

「何 悠長な事をしておるのだ!」

雅龍は吠えた

「骨だからね、一本取ったら後はバラバラと崩れるのかと想ったのよ!」

暢気な事を言う夏海に…雅龍は顔が緩む

「で、どうであった?」

「どうって、バラバラにならないから…
追われてるんじゃないのぉ~」

夏海は髑髏から逃げて走り回っていた

蹴飛ばしても…

斬っても…

「こいつ等、再生可能なのよぉ~」

愚痴を溢す

雅龍は夏海を襲う髑髏を炎で燃やし

夏海を腕に抱いた

「離れるな」

雅龍の強い腕が、夏海に絡まる



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